実は、V6時代から存在するけど、その実あまり使われていないような気がするオプションですが、
パフォーマンス等にメチャクチャ影響するので、適度に使う事を推奨したいオプションです。
個人的にはCOMPRESS=YESってデフォルトでもいいと思うんですけどね。
使い方幾つか。
ライブラリに定義しておく方法。
libname TEST base "C:\test" compress=yes ;
こちらは、「今後TESTライブラリ配下に作成される際に参照され」、ライブラリ配下のデータセットが圧縮して作られます。
COPYプロシージャなどでコピーする際には原則として適用されないと思った方がいいです(多分オプション駆使したらいいんだろうけど)。
システムに定義しておく方法。
options compress=yes ;
このステートメントが実行された後、「全てのBASEエンジンでのデータセットを作成される際に参照され」、圧縮して作られます。
但し、基本的にはセッション毎に保持されるものと思って下さい。sasv9.cfgなどで設定ファイルに設定した場合には、全てのセッションに反映されます。
SAS実行用のサーバを構成している場合には、Workspaceサーバ等だけに適用する方法、SASApp配下全体に適用する方法などで設定ファイルを弄る事を推奨します。Metadataサーバに適用してしまっても多分意味がない・下手するとパフォーマンスちょっと悪化するので。
圧縮のロジック・影響
個々の変数に対して連長圧縮という事をします。
その為、適用されても必ずサイズが小さくなる訳ではありません。
連長圧縮 - Wikipedia
圧縮効率は悪いですが、極めて単純なロジックの為、CPU負荷はあまりありません。ディスクI/O待ちがかなり多いSASの場合にはかなり有利なロジックではあります。
以下イメージ。
CSVファイル
abcdefghi,,abcdefghi, ,abcdefghi,,
SASデータセットイメージ(定義の部分とかで大きめなヘッダがついてますが、大体イメージです)
abcdefghi,_________,abcdefghi,_________ _________,abcdefghi,_________,_________
SASは、固定長文字列としてデータを保持する為、COMPRESSオプション指定なし、デフォルトのNOである状況では、定義の長さまでデータを半角スペース(0x20)で埋めます。
定義の長さまでデータが埋められてない、欠損値が多い(SASではRDBのNULLのようなものを欠損値と表現します。厳密にはRDBのNULLとは異なり、型としては数値型・文字型両方あります)場合には、この「ただ埋める為だけの半角スペースが多い」ので問題になります。
このせいでCSVのサイズとSASデータセットのサイズも比例しづらいです。
余談
SASの固定長文字列型というのは、これ今後も変わらないと思います。
2000年代でも既に珍品の域だったと思いますが、ただ、どんなプラットフォームでもそこそこ高速に動くのはこの辺りの仕様です。
メモリ消費量が案外小さいのもそうで、ただ、プロセス起動が重い(イチイチフォルダ作って物理実体を作業スペースでも作ってしまう)のも問題ではあるんですが。
プロセス起動のネックになっているWORKライブラリは、MEMLIB等の設定がありますので、高速化考えているならば検討の余地はあります・・・・・・が、結局の所、SSDより大容量なメモリを抱えている訳でもないので・・・・・・パフォーマンスチューニングは厄介ですねえ。
固定長文字列型というのの利点は、ディスクのページサイズと合わせる事によって、変なディスクキャッシュをかまさなくて高速に動く所、ですかね。
余談:SAS EGでのやり方
データインポートのタスクにデータセットオプションを指定する方法はどうも簡単にはなさそうなので、システムオプションを変更するプログラムを作り、上記タスクの前に実行するようにフローを作った後、まとめて実行する方法が良さそうです。
注意として、一度システムオプションで変更するとセッション中はずーっと圧縮かけるように設定されてしまう為、必要があれば解除するようシステムオプションを再度設定しなおすという事も行って下さい。
ただ、一点ツッコミ入れておきますが、データインポートでは、EGからサーバへ平文のCSVが転送されます。その手の変換はサーバ内でDISや生SAS使うのが妥当です。